貴重な経験

こんばんは〜。

今日か皆既月食にブルームーンに・・・と、天体的に興味深い日のようですね。

さて、インスタの方で”秘密のミッション”と言っていたお仕事の報告をさせていただきます。

昨年11月から水面下で進められていたお話です。

1番お気に入りの盛り付けから。

実はリハーサル時のものです。

下準備の図↑

打診いただいたのは、駐日ポルトガル大使公邸で時々行われる食事会に、スポット的に加わってもらえませんか?

内容は、メニューの考案・助言・調理・指導などというお話。

いや、なんだか目頭が熱くなりましたよ。

私は料理の世界に入った時もそうですが、世襲でも、コネがあるわけでも何でもなく、好き!という気持ちと希望だけを道しるべに進んできました。

ただ、周りへの感謝を忘れず、正直にはやってきました。

ポルトガル料理も同じで、好きで真面目に続けてはきましたが、アピールも下手だし、インパクトに欠けるというか何というか、まあ、不器用で。

壁にぶつかることもありましたが、こんな私に何という光栄なお話でしょう。

頑張ってきて良かったと思えたし、もし実現には至らないとしても、大変名誉なことだと思いました。

と同時に、一抹の不安と緊張感もありました。

その後、打合せや相談を重ね、過日、本番を迎えることに。

まずは本番1週間前のリハーサル時の模様から。

スイーツは大使夫人が担当されます。

パッションフルーツのチーズケーキ。

ここから、コースを一通り試してみました↓

大使も帰宅され、夫人、通訳のMさん、私の4人でランチ・・・嬉しくも不思議な気持で、夢見心地のような時間でした。

私担当の前菜はポルトガル・日本のタコの食べ比べとも言えるセットです。

器が懸案事項に。

大使夫人が希望されていた葡日合作のメイン。

夫人の絶品のうずらのパイと和野菜をコラボさせたかったようです。

内容も、デコレートも気に入っていただきました。

とりわけ、型抜きのにんじんとゆずのドレッシングは喜んでいただけたようです。

酸味と甘さが絶妙なケーキ、とても美味しかったです。

締めはもちろん、エスプレッソで。

公邸に伺うと、食事はもちろん、器やカトラリーも素晴らしくて、贅沢な気持を味わえます。

ほんの1部にしても、そこに関わらせていただけるなんて・・・幸せ者ですね。

ここから、本番へ〜。

自宅での仕込みから。

リハーサルの時は、手に入らなかった生の銀杏をゲットできました。

季節外れなので諦めてたのに・・・はぎわら青果さん、いつもありがとうございます!

真空パックのものとは段違いの美味しさ。


かぶ、しいたけ、長芋はグリルパンで焼き目をつけて。

プチ情報ですが、残ったこれらを普段の味噌汁に入れてみたら、香ばしさが増してとっても美味しかったです。

香りってご馳走ですね。

大好きなゆり根とレンコンは茹でて。

日本らしい素材を揃えました。

型抜きは日本らしいし、色があるとしまって華やかさを添えられました。

ゆず皮も刻んでドレッシングに添えて。

この細かい作業に、スタッフの女の子(フィリピン人)が驚いてました。

こういうのも日本らしいしつらえなのかもしれません。

素敵なテーブルセットにうっとり。

準備完了ですね。

さてー!前菜の葡日たこ料理を盛りつけていきます。

器はこのように変化しました。

盛りやすいし、食べやすいかと。

テーブルにセットしたところ。

メニューはこちら。

もう、なんだかワクワク。

私はお客さんでなくスタッフなのに(汗)

うずらのパイはサイズダウンして盛り付けました。

そうそう、総勢14名様でした。

ポルトガルからの要人が主です。

葡日の共演、いかがでしょうか?

このプロジェクトの途中から、密かに思っていたことがあります。

大使夫人は料理がお好きで、日本の料理や素材にも大変興味を持っておられます。

通訳のMさんから、当初から聞いてもいました。

「ポルトガル料理をわかっていて、和食のアドバイスができる人。真由美さんが適任!」と。

そうかな〜?ぐらいに思っていましたが、日をおうごとに、「そうだな、私にしかできない仕事かも!?」と。

実際、仕事でその人にしかできないなんて、突き詰めていくとないと思うんです。

例えば、お母さん業だったら、他に変わりがいないですが、変わりがいるのが仕事とも思います。

でも、今回生まれて初めて「私にしかできない」は言い過ぎにしても、「これは私が適任」と思えたと同時に「確実にお役に立てた実感」を得られました。

長く仕事をしていますが、この感覚は初めてでした。

スポーツ選手だったら”ゾーンに入った”というんでしょうか?(ちと違う??)、達成感とともに妙な浮遊感も感じました。

本番はソースのデコレーション付き。

パッションフルーツは種子島から取り寄せてらっしゃいます。

私が買ってきた、水菜やゆり根にもとても興味を示してくださった大使夫人。

柔和でかわいらしくて大好きな方です。

本番になったら、キリッとエレガントにドレスアップされてる姿にも惚れ惚れ。

今回、このような機会をくださり、ありがとうございました。

大変貴重な経験でした。

また、いつも気にかけてくださり、1番にお声がけ下さった、ポルトガル大使館のMさんにも大感謝です。

こぼれ話。

メインの盛り付けが終わって、任務はほぼ果たしたあたりで、スタッフリーダーさんが、残ったワインを勧めてくださいました。

スターターでお出ししていた、ミニトーストとともに。

どっちも美味しい!

緊張と疲れと空腹と立ち飲みという条件が重なったせいか(?)、みるみるうちに眠くなり・・・。

顔に出ないので、多分普通に見えたと思うのですが、終焉時に大使夫人とお話した時も、おかしな対応になってしまい・・・(大汗)。

しっかりしいや!だし、ポル語何年習ってんの〜?いつになったら上達するの?と天の声が聞こえたような(笑)。

頑張りますよ〜。あれもこれも。

ポル語の神様、おりてこーい!ついでに英語も!



料理家 栗山真由美's web

料理家 栄養士 栗山真由美 のウエブサイトです。 旬の素材のおいしさを存分に引き出した、シンプルかつ、健康的な料理を心がけています。 書籍、雑誌、テレビ、ラジオなどの媒体で料理を伝え、イベントやケータリングなどもさせていただいています。 ポルトガル料理を中心とした料理教室 Amigos Deliciosos を主宰し、日本ポルトガル協会の教室の講師もさせていただいています。