マカエンセ料理
マカエンセ料理の出版記念イベントへうかがいました。
場所はポルトガル大使公邸です。
著者のカルロス・カブラルは、マカエンセ文化の若き継承者のひとり。
2013年、パトゥア語による解説付きの、ポルトガル語・広東語・英語三か国語で書かれたマカエンセ料理のレシピ集を出版しました。
そして今回、ついに日本語訳の出版が実現。
「コメ・キ・クーザ?」(何を食べようか?)はレシピ本にとどまらず、マカオの古いならわしについて語っています。
先人たちが使っていた「パトゥア語」というポルトガル語系クレオール語(ポルトガル語をベースとしながら、中国語・マレー語・英語などさまざまな言語の単語や文法が混ざり合ってできた言葉)で味付けしながらマカエンセ料理のレシピを紹介します。
大変に興味深い!
マカオには2度ほど、訪問していて、食事も大変美味しかったですが、その時の印象ともまた違う、洗練された料理たち。
特徴的なのは、エビを多用すること、スパイスの合わせ技が上手、舌の奥で、ポルトガルやマレー、四川や東北ではない(つまり広東か?)中華、インドを感じます。
とても調和的なお料理。
ワインはポルトガルのワインがいくつか。
こちらはセトゥーバルのロゼ。初めて見るラベル。
マカエンセとは、16世紀半ばから定住したポルトガル人と、現地マカオならびに近隣諸国出身の人々との間に生まれた「混血」の人々、すなわち「ポルトガル人の子孫たち」を指すポルトガル語だそう。
育まれてきた独特の伝統文化の象徴となるのが「料理」と「ことば」です。
ポルトガル菓子に似て非なるものがいろいろ。
マカエンセ料理は、ポルトガル料理をベースとして、大航海時代にポルトガル人が辿ったルート、すなわちアフリカ、インド、マレー(インドシナ)、そして中国広東地方・マカオの料理の原材料やスパイス、料理法を加えたいわば究極のフュージョン料理です。
長い間マカエンセの各家庭の秘伝レシピとして門外不出のものでしたが、20世紀後半に商業化されレストランのメニューに組み込まれるようになりました。
日本での発売予定はないそうですが、この貴重な本をいただいてきました。
大切に読みたいと思います。
また、早く、料理も再現してみたくてウズウズしています。
この機会をくださった皆様、ありがとうございました♪
0コメント